【第58回 気象予報士試験 実技1】問4を徹底解説|高潮・暖域流入・雨への変化・融雪災害

こんにちは!今回は第58回 気象予報士試験 実技1 問4を解説します!

今回の問4では、発達した低気圧接近時の防災気象情報がテーマです。

高潮・大しけ・気温上昇・雨への変化・融雪災害など、実際の防災現場でも非常に重要な内容が問われています。

実技試験記述5型

基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)

  • 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
  • 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
  • メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
  • リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
  • 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」

■ 問4(1) 北海道東部で予想される気象現象

模範解答

南東
大しけ
高潮
上昇

融雪

◇ 解説

① 根室付近で吹く風向

図1の地上天気図を見ると、発達した低気圧は北海道の西側付近に位置しています。

根室はその東側、つまり低気圧前面の暖域に入っています。

低気圧の周囲では反時計回りに風が吹くため、根室付近では、

南東風

となります。

暖かく湿った空気が南東側から流れ込んでいる状態です。

つまずきポイント

低気圧周辺の風向は、反時計回り+低圧側へ少し吹き込むイメージで考えると整理しやすいです。

② 海上の状況

低気圧の接近により、北海道東部の海上では強風が吹き、波が非常に高くなります。

このように海が非常に荒れる状態を、

大しけ

と表現します。

「大しけ」は、気象庁の正式な警報名ではありませんが、防災用語として非常によく使われる表現です。

③ 発生が予想される災害

低気圧接近時には、気圧低下による吸い上げ効果と、強風による吹き寄せ効果が同時に発生します。

その結果、沿岸では海面が上昇し、

高潮

が発生しやすくなります。

特に根室港では、低気圧通過時に気圧が大きく低下し、さらに南東風によって海水が吹き寄せられるため、高潮リスクが高まります。

記述式解答のポイント:リスク型

どこで:北海道東部沿岸で

なぜ:気圧低下による吸い上げ効果と強風による吹き寄せ効果が重なるため

何が起きている:高潮が発生しやすくなる

超重要

高潮は、

  • 気圧低下(吸い上げ効果)
  • 強風(吹き寄せ効果)

の2つをセットで説明できるようにしておきましょう。

④ 気温変化

低気圧の暖域が北海道東部へ流入することで、根室周辺では暖気が入り込みます。

その結果、気温は、

上昇

します。

850hPa面でも0℃を超える暖気が流れ込んでおり、地上でも昇温が予想されます。

⑤ 降水の変化

気温が0℃を超えると、降水の相は雪から雨へ変化します。

したがって、北海道東部では、

雪 → 雨

への変化が起こります。

暴風雪だった状態から、雨へ変化する流れです。

つまずきポイント

「暖気流入 → 気温上昇 → 雨への変化」は実技試験で非常に頻出です。

特に北海道問題では、雪から雨への変化による災害リスクに注意しましょう。

⑥ 注意すべき災害

積雪がある状態で気温が急上昇し、さらに雨が降ると、雪が急速に融けます。

その結果、

融雪

による災害リスクが高まります。

特に山沿いでは、融雪による雪崩や河川増水への注意が必要です。

記述式解答のポイント:リスク型

どこで:北海道東部で

なぜ:暖気流入による気温上昇と降雨により積雪が急速に融けるため

何が起きている:融雪災害の危険が高まる

■ 問4まとめ

  • 根室付近では南東風が吹く
  • 海上は大しけとなる
  • 高潮発生のおそれがある
  • 暖域流入により気温が上昇する
  • 雪は雨へ変化する
  • 融雪による災害リスクが高まる
  • 高潮は「吸い上げ効果+吹き寄せ効果」で説明する

この問題の本質

この問題は単なる穴埋めではなく、

  • 低気圧の位置
  • 暖域・寒域の構造
  • 気温変化
  • 降水相変化
  • 高潮メカニズム
  • 融雪災害

を一連の流れで理解できているかを確認する問題です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 気象予報士試験 実技1 問4の解説でした!

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